おもしろきこともなき世におもしろく

ライトノベル・SF・マンガ・ゲームの感想。それにMtG(モダン・ドラフト)についてちょろちょろと記載。

大学生必見!ホンモノの文章力


この本は大学生必見である。
まだ読んでいない大学生は買うべきである。
作者は頭がいい人、悪い人の話し方 (PHP新書) の樋口裕一だ。「小論文の神様」とも言われ、多くの大学生を合格受験に導いた。本書はその「小論文の神様」が「如何にしてよい文章を書くか」のテクニックを1から解説してくれる本である。まず、文章とは、つまり作者の文章論から入り、続いて意見文の書き方、自己推薦書・志望理由、作文・エッセイ、手紙・eメールときて、最後には文章を書くこと、書けることがどのように現代社会に求められているか、作者の意見が述べられている。よく本質を理解せずにテクニックに走ることはよくないと主張する人がいる。なるほど、たしかにそれはそうである。しかし、文章を書くということを何も知らない人がいきなり本質を理解することはできるだろうか。まずはテクニックを身に着けることによって一歩ずつ文章を書くということの本質に近づいていけばいいではないか。そいういう意味でまさしくこの本はホンモノの文章力を身につけるための第一歩といえると思う。

上で紹介はすんだのでいくらか感じたことを。
作者いわく文章力を鍛えることは思考力を鍛えることである。作者はホンモノの思考力―口ぐせで鍛える論理の技術 (集英社新書)
本を出していてそこでも書いている。つまり、日本人は物事を考えるとき日本語で考えるのだから、思考能力=言語能力=文章の力、ということであろう。また、書くことはアイデンティティの拡大につながるという話は興味深かった。自らの創意を発揮し、世界を築くことのできる行為としての文章を書く、というのは確かにそのとおりだと感じた。