おもしろきこともなき世におもしろく

ライトノベル・SF・マンガ・ゲームの感想。それにMtG(モダン・ドラフト)についてちょろちょろと記載。

狼と香辛料 Ⅻ

狼と香辛料の最新巻(発売日 8月10日)

個人的には今月はこれを読まないと始まらない。同時に俺の妹がこんなに可愛いわけがない、も発売。

狼と香辛料〈12〉 (電撃文庫)
◎雌豹のポーズ(笑)ちなみに俺の妹がこんなに可愛いわけがないも雌豹のポーズ(笑)
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈4〉 (電撃文庫)

◎あらすじ
北の地図を描いてくれる人を探していたロレンス一行は、フラン・ヴォネリという褐色の肌を持つ銀細工師を紹介される。しかし、この銀細工師は一筋縄にはいかない人物で、地図の報酬としてある村に伝わる天使伝説を探すことを手伝うことになる。

◎今回は商人としてのロレンスはあまり描かれなかった。言葉巧みに村人の警戒心を解いていくシーンなどは言葉のうまい商人といった感じだったが、聖遺物をめぐって商会の陰謀に挑む、みたいな全巻までの緊張感は少し薄い。今回も当然のごとく謎解き、天使伝説の正体を探るシーンなどはあるが、むしろホロとロレンスの旅の動機をより強くするためのつなぎの回という印象が強い。だから心理描写がとても多く、またそれがとても秀逸なため、ホロとロレンスの心の内がよく伝わるとても素晴らしい巻だと思う。

◎ちなみに個人的には中世ヨーロッパの庶民の暮らし、というテーマがとても好きなのでいつも狼と香辛料を読むときには年代認定をしようと頑張っているのだが、今回マルコ・ポーロっぽい人が出てる。人が出ているというか、東方見聞録っぽいのが出てる。東方見聞録が出てからまもないという印象を受けたがだとすると狼と香辛料の世界は中世ヨーロッパの13世紀あたりをモデルにしている、と思われる。この時代はちょうど都市が生まれ始めたころで、異教徒と教会との戦いが激しかった時期と一致するので結構しっくりきたりする。

◎中世ヨーロッパの暮らしを伝えてくれる本としてはドゥームズデイ・ブックや中世を旅する人びとなどがお勧め。ドゥームズデイ・ブックはタイムトラベル本で、中世ヨーロッパの暮らしをとてもリアリティあふれる描写で描いている名作。中世を旅する人びとは副題がヨーロッパ庶民生活点描であることからもわかるように庶民生活に焦点を当てて中世ヨーロッパ社会を描こうとする本だ。

中世を旅する人びと―ヨーロッパ庶民生活点描 (ちくま学芸文庫)ドゥームズデイ・ブック〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)ドゥームズデイ・ブック〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

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