おもしろきこともなき世におもしろく

ライトノベル・SF・マンガ・ゲームの感想。それにMtG(モダン・ドラフト)についてちょろちょろと記載。

学園カゲキ!1

はじめに一言いっておくと人によってはかなり不快感を覚える内容かもしれません。

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ものものしい書き出しになってしまいましたが、学園カゲキ!は日本一のタレント養成学校、歌劇学園での少年、少女の恋愛を描いた作品です。
学園歌劇は日本一のタレント養成学校ということもあり、在校生の出演する独自のドラマを作っているのですが、主人公、タクミが歌劇学園のドラマを一度もみたことがない、と入学試験で言ったことがきっかけとなり、ドラマ制作の裏話番組、タクミを主人公にしたBSカゲキ(Back Stage)という番組が作られます。

何も知らないタクミが学園で親友を作り、九月という少女と恋をし・・・という姿を追って放送するという内容のドラマです。
ほんっとうに悪趣味だと思うのはタクミ以外の人間はすべて、このBS歌劇の存在を知った上でグル、というところです。学園での付き合いを経た結果としてタクミは親友役雅弥、恋人役の少女、九月と本当の意味で親友、恋人、となるのですが、きっかけというかはBSカゲキの配役なわけです。このドラマは歌劇チャンネルで流れるドラマの中でもトップクラスの高視聴率を取るわけですが、ようは他人の私生活を無断で丸流しする番組なわけです。ニュースバラエティが高視聴率をとれるんだから、悪趣味を気にしなければこんな番組、つまらないわけがないんです。
救いは雅弥も九月もこの番組の悪趣味さに気づいており、タクミをだますことに耐えられなくなった九月が責任を取ろうとするシーン、また責任を取ろうとする九月を深く思うタクミが、故郷に帰ろうとする九月をすべてを知った上で止めにいくシーンがあるということくらいです。

番組の趣味が悪い分、その番組に出ている自分を責める、雅弥と九月がけなげに見えます。

思いっきりネタばれしまくりましたが、この感想を見て不快感をあまり覚えないようでしたら、とてもお勧めできる内容のラノベです。上記のとおり、悪趣味な番組で傷つきながらも戦う少年少女はとても健気ですし、学園カゲキは現在6巻まで出ているようですが、2巻はとても甘酸っぱい感じな恋愛物語でした。