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おもしろきこともなき世におもしろく

ライトノベル・SF・マンガ・ゲームの感想。それにMtG(モダン・ドラフト)についてちょろちょろと記載。

ヴィンランド・サガ 16巻感想

2015/6/23発売のヴィンランド・サガ16巻。
例によってネタバレありありの感想。

ヴィンランド・サガ(16)

ヴィンランド・サガ(16)

ハーフダンの息子、シグルドをなぜかナイフで刺してしまったグズリーズ。
まぁ事故の類ではあるものの、普通にこのままじゃやばいということで逃げ出した上、トルフィンたちと合流して、ギリシアへ向かう。
一応ほとぼりを覚ましますか、という話なので、シグルドのもとへのはいずれは変えるのかな?

シグルド、意外といいやつだということが周りの取り巻きの友人たちとのやりとりの中でしれて面白い。

ハーフダンにしたところで、残酷さや冷酷さばかりが強く描かれる一方で、独立した農園経営ができない人間たちの保護者としての面もあったり

憎しみの連鎖、戦いの連鎖の意味

ちょっとおもしろかったのが、復讐をすることが和平につながっているということが、明示的に描かれたところ。
ノルドの戦士は必ず復讐する、だから中途半端な武力行使はできない。
なので、平和になる。

そのためには、中途半端な復讐は許されないし、復讐をしない人間は社会的な罰すらうける、という話がでてきていた。

復讐の連鎖を断ち切ろうとするトルフィン

トルフィンは復讐の連鎖を断ち切ろうとするのだが、トルフィン自身がどうしょうもなく復讐の連鎖ノ中に取り込まれていることも同時に描かれている。

トルフィンがかつて殺した人間の娘に復讐される!?とういところで16巻はひきなのだ。

良かったシーン

トルフィンが、赤ちゃんたすけてグズリーズにおっぱいあげて、おっぱい。っていうシーンがなんか微笑ましかった。
女の人は子供が生まれないとおっぱいでないんだよ。
わかってないな、この人。みたいな。

レイフも男親は子供の育て方なんかしらねーよっていうのがその当時はそんなもんだったん?みたいな男女の感覚の差を表してて面白い。

グズリーズの話自体が、女性として求められてることができなくてやりたいことは男性の仕事である船乗りだ、という話だっただけに、それでもやっぱり子供について知ってたりは、女性なんだな、とか、男性にはわからんこと、あるよねーみたいな話がでてきてたのは面白かった。

まぁ女性的、男性的というもののうち、身体と結びついてるから男性的だ、女性的だ、とされていることから逃れるのはなかなか難しい。

シンギュラリティ・スカイみたいなSFで描かれているような身体改造が当たり前になるなら、また話は違うのかもしれないけど。
ようは人間とはかけ離れた生き物になったり男性でも女性でもあるものになったり、男性でも女性でもなくなったりできるようになれば、身体に結びついたジェンダーは消滅するかも、という話です。

ただ、歴史物のヴィンランド・サガではまだまだその話は関係ないですよね。

今後気になるのは、トルフィンに復讐しようとしている女狩人との話がどう着地するのか、ということと、シグルドがグズリーズに逃げられたことにどうかたをつけるのか、ですね。

シグルドがいいやつだというのは話のなかで描かれているところなんですが、それとは別に、社会のしがらみからは自由になれないという話もあります。

女狩人の復讐、嫁さんに逃げられた男の名誉回復とどちらも社会のしがらみに囚われた部分で、社会を超越 or より良いものにしていこうという話になりつつあるだけにどういうオチを漬けるのかが楽しみ。

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