おもしろきこともなき世におもしろく

ライトノベル・SF・マンガ・ゲームの感想。それにMtG(モダン・ドラフト)についてちょろちょろと記載。

東京レイヴンズ8巻

東京レイヴンズ8巻読みました。

かなり伏線回収の多い回になりそうなのでネタバレしないように感想を書くのが難しくなってきました。
実はこの話は二部構成らしく次回9巻で一部はおしまいになり二部に続くことになるそうです。

夏目と春虎の本当の関係が明らかになり、今後どういった話の展開になるかが楽しみです。

あざの耕平の前作のBBBと比べてみるとBBBではジローはいつかコタロウに食べられていなくなってしまう、というのが全編を通しての一つのテーマでした。ただし、吸血鬼の本質は血であり、同じ血統の吸血鬼はひとつの存在の違う表れであるという考え方が根底にあり、そのことをテーマにして話が進んで行きました。

また吸血鬼だけでなく人がどのようにその意志を次世代に託していくか、そういう話でもあったと思います。

一方で東京レイヴンズでは主人公の春虎と夏目は陰陽師の名家、土御門家の人間として登場します。そして没落していた名家である土御門家の中興の祖、土御門夜行の生まれかわりであるとされる夏目がトラブルに巻き込まれていく形で話は進んでいきます。

ここで気になることはすでに夏目は自分の選択と関係なく土御門家を継ぐものとして表現されている点です。事実、夏目は土御門家の当主は男でなければならないという「しきたり」のために常に男装しており、周囲に自分が女性であるということを隠し続けます。

8巻では「しきたり」の本当の意味が明らかにされ9巻へと話が続き第一部の終了を迎えます。ある種運命の傀儡として描かれており、時には自らの背負われされた運命への無意識の反発が描かれることもあった夏目はどのような選択をし、どのような意志を背負っていくのでしょうか。

(ところでこの手の話の難点としていくら夏目が重症をおって次巻につづくってなっても本当に死ぬとはなかなか思えませんよね?w)