とある飛空士への追憶
とある飛空士への追憶の感想をば
以下ネタバレ含むので注意
2008年一押しの作品です
ストーリーは王道、決して結ばれることのない恋です
かたや次期皇妃、かたやしがない飛空機乗りの傭兵
しかし、二人の運命は密接に絡み合い、絶対にに忘れ去られることのない永遠の瞬間を作りだします
単独で敵陣を通り抜け、姫を皇子の元に連れていく、それが主人公シャルルの任務
その僅かに5日間の任務の間に二人の仲は急速に接近していく
こうかくと単なるふたりがイチャイチャするだけのラヴロマンスかよ!と思われるかもしれないが、この作品はもっと生々しい、生と死の雰囲気も兼ね備えているのだ
空には戦いがある
次期皇妃ファナを狙う敵機とのドッグファイト、それは全く華やかなものではない、多くの命が不条理にも散る
戦いは美しい空にあらわれるあまりにも悲惨な地獄なのだ
しかし、一方で空はあまりにも美しい
作者の伝えてくる空はあまりにも美しい
『空のなかでは身分なんて関係ないから』、最下層の階級であるベスタド、二つのいがみ合う民族の混血児のシャルルがもつ願いは自由に空を飛ぶことなのだ
空は、シャルルはファナの心の壁を破り、ファナを人形から人間に変えるのである
ってなんか、空のことしか書いてないな
でも、この作品で感じたのは空なんだよね、なによりも
勿論、ファナの可愛さとか、二人の愛の儚さとか、シャルルの誇り高さ、とかも感じたんだけど、そういったもの全てがあるのは空だと思う
あと表紙も凄い、と思いました
なんかラノベの表紙ってヒロインのイラスト集、みたいなイメージ持ってたんだけど、これはなんて伏線、って感動したもん
ラノベは基本的にカバーを表示にしてるんだけど、これは慌ててカバーを外して確認しちゃったもの
二人の恋が叶った瞬間、散る瞬間だよね
瞬間が永遠だよね
因みにカバー買いした初めてのラノベかも