おもしろきこともなき世におもしろく

ライトノベル・SF・マンガ・ゲームの感想。それにMtG(モダン・ドラフト)についてちょろちょろと記載。

メイドインアビス6巻までの感想

メイドインアビス6巻、42話までの感想。
ネタバレありです。


6巻までを読んでの感想は誰にでもすすめることはできないが、漫画好きの人にはおすすめできる漫画だなぁ、です。
作者は変態なんだなぁ、と思わされる気持ち悪い描写がたくさんでてくるので、そういった描写に耐性がない人にすすめると人間性を疑われそうなので、誰にでも進められるわけではないですが、一漫画としてみた時には物語の進め方、描写力、独自の世界観など、優れた点がたくさん出てくるのでぜひ読んでほしいです、という話になります。

お話の特徴

ファンタジー世界で冒険者になるお!という味付けに近い漫画ですが、特徴としては俺TUEEEチートが少なくて
現実の怖さが前にでてくるところでしょうか。
若干のリアル志向があるので、人はそこそこ死ぬ上に主人公の女の子、リコがかなりひどい目にあうしですね。

もちろんご都合主義は適度にまぶしてあるわけですが。
例えば、主人公は当然死なないしですしね。ただし、危険なアビスの生物、タマウガチの毒を食らったおかげで左手は親指以外が動かなくなってしまったりもします。

人が死ぬ、主人公が障害者になるなどやりたい放題のストーリなので、
絵柄と起きる事象のギャップが激しくて、なんな脳みそが痒くなりますね。

そういうギャップも魅力といえば魅力ですね。

以下ネタバレありの感想

物語の着地点が42話時点で意外と見えないですね。
なれ果ての済む村にたどり着いた一行ですが、なれ果ての姫、ファプタとレグの間に因縁があること、なれ果ての村に一度は黎明郷ボンボルドが着ていたこと、そして地上で謎の病気が蔓延しており、おそらくアビスと関係がありそうなことなどが一気に明かされています。
設定がかなり緻密な作品なので、物語のなかで明かされていない重要な伏線があるとそれがストーリーに与える影響がでかくて着地点不明になります。

今後明かされていく物語の謎としては、ファプタとレグの会話を見る限りではレグがアビスの底から地上に登ってきた理由などがありそうですね。
あと、ファプタがレグのちんこ確認しようとしていたけど、ファプタとレグは一体以前何をしていたんだ。。。

こういう描写がポンポンとぶっこまれるあたりがメイドインアビスの魅力なのか悪いところなのか難しいところですが、人に勧めづらくなる理由ではありますね。確実に。

ロリ・ショタの絵柄でなんかふわっとしたエロといいますか特殊性癖の存在を彷彿とさせる展開がでてくるところがまぁ、この漫画のいいところであり悪いところですね。
絵柄のタッチが絵本風なのが悪いです。
あと、やはり絵を見ていて思うのは構成力も高いし、アビスの絵にすごい広がりがって綺麗ですね。。

あとは、生き物の内臓とか好きな人にもおすすめできるかもしれない。生き物の内臓が好きな人ってどういう区分だよと思うけど。
5巻くらいからほのぼのダークファンタジー路線から残酷物語路線が強くなるんですよねー。

ボンボルドが出て来るのが悪いよ、ボンボルドが。
それまではせいぜい、捕まえた動物を解体する程度の話だったのがプルシュカとカートリッジの存在がでてきて、怪しくなっていきます。
カートリッジというのは、メイドインアビスの作中でも屈指の邪悪な概念ですね。

まず、今更ながら説明すると、メイドインアビスでは、アビスという謎の穴を捜索してそこに眠る謎のお便利グッズを集めて生計を立てている人がでてきます。
ヒロインのリコもそんなようわからん人たちの一人です。
アビスは地面に空いた穴を通って降りていく地下世界なのですが6層以上に分かれています。
そして、下の階層から上の階層にのぼる際にはいろんな健康被害がでる、という設定があるのです。アビスの呪い、と作中ではいっています。

カートリッジはそのアビスの呪いを解決するための手段の一つで、任意の人間にアビスの呪いを押し付ける事ができる、という設定があるという前提で機能する仕組みです。
人間をバラバラにして脳みそと脊髄と内臓ちょっとに分解して再度箱詰めしたものをカートリッジと読んで呪い避けに使うんですね。

いままでもエグい話はたくさんでてくるんですが、5巻から級にこういう残酷物語な展開が増えてくるんですね。

そしてなんといっても、ただカートリッジという技術がある、というところで話は終わらず、 4巻5巻でリコが仲良くなる女の子のプルシュカがボンボルドにカートリッジにされてしまうという展開が待っています。
しかもプルシュカはボンボルの娘だし、ボンボルドに愛情を持ってるし、それは分解されて箱詰めにされてカートリッジにされても変わらないしということで非情に脳みそが痒くなる展開です。
ついでにボンボルドには娘を箱詰めにすることに一切悪いことをしているという意識がないし、ボンボルドとの因縁があるナナチ及びリコ、レグに対して敗北したときも、アビスに対してより思い入れがあり能力がある人間が前に進むんだから悪いことじゃないとかいっちゃったりとかもう狂人ぶりが目立ちますね。

実際には、人間の精神を他人に植え付ける事ができるお便利グッズを使いすぎて精神性が生き物を辞めてしまっているという設定で、実際に狂人なわけですが。狂人?ですらないかもですが。人間ではないどころか生物ではない、という認定を作中で受けているので。

そういった間違った人間性を持った人間がキチガイを晒していく、というのも魅力的なところです。いやー、実際展開は気持ち悪いし胸糞悪いけどボンボルドはマッドサイエンティストキャラとして一定の魅力がありますよ。
プルシュカとの間の関係性もなんとも言えない魅力があるし。
あと、リコからレグのちんこの話をされた際にパパ棒のことね、って言ってるし勃起したところもみたことあるっぽいし、なんか性的暴行をうけてる設定まで連想させるから最低ですね。

つくしあきひとは、され竜(されど竜は罪人と踊る)を読んでるし、アナピヤ編を読んでるしプルシュカの話の下りは絶対アナピヤ編を参考にして書いてるとおいます。

され竜のアナピヤ編も、他人の精神を支配する、女の子が解体される、と似た要素がでてきますからね。メイドインアビスは2010年代のコンテンツなのですが、され竜はそもそも2000年代コンテンツということで圧倒的に先行しているわけですしね。



まぁ、だらだらと感想を書いているけど、結局面白いから読んでみてね、とういことが書きたいだけです。