おもしろきこともなき世におもしろく

ライトノベル・SF・マンガ・ゲームの感想。それにMtG(モダン・ドラフト)についてちょろちょろと記載。

ガンダムUC episode3 感想

1巻、2巻に続いてガンダムUC3巻の感想

ガンダムUCも3巻、episode3に突入。
そろそろ状況に翻弄されるだけでなく、バナージが自ら状況を起こしていくことになるのだろうか。

バナージがマリーダさんを嫌い切れない理由って?

捕虜にしたマリーダさんを責める女性士官にたいして、マリーダさんを擁護するバナージくん。
「袖付きはテロリストよ。士官であろうと犯罪者。」
「あたなのコロニーを破壊した張本人なのよ。」
自分のコロニーを破壊した人殺しを憎みきれない理由の一つは、2巻のラストで、バナージ自身が人殺しであることを自覚させられたせいなのではないか。

もちろん、マリーダさんとの会話の中で強化人間としてのマリーダさんよりも身寄りの来ない子供としてのマリーダさんだったり、バナージを気遣う年上としてのマリーダさんを見てしまったからというのこともあるのでしょうが。

因縁のある人間の死に関わって汚れてしまったバナージ

ダグザさんが死んだのはバナージのせい、というよりも命をかけたダグザさんにバナージ自身は絡め取られた感じもあったが。
実際、業という意味での原因はバナージ側にあったのだろうけど、そこからまだ逃げることもできたのにダグザさんの説得と死でもう足抜けできない雰囲気ができてしまった。

さらには、地球との大気圏のはざまでシナンジュを追い詰め、ギルボアさんをも殺してしまう。
ニュータイプ能力のせいで、死にゆくギルボアさんの「ティクバ、家族を頼む」と最後を看取ってしまったように思う。

こうなってくると見たくないものばかりを見せてしまうのがニュータイプ能力なのだなという思いを新たにしてしまう。

見せたくないものばかりを見せるニュータイプ能力

他人の死に様を看取るハメになるし、「誤解なくわかりあえた」結果としてこいつだけは絶対に殺すという結論が導きだされることが多々あるしということでどうしょうもなく、他人とわかりあいたくなんてないなぁ、という気持ちにされるのがニュータイプ能力である。
結局、適度に自分に都合よく相手のことを勘違いしているのが一番生きていく上では最適なのではなかい?とか下衆なことを考えてしまうよ。

1巻、2巻から引き続きバナージくんの自信と行動力がすごい

ダグザさんとのやりとりのなかでは責任なんてとれませんといっていた割には行動力はある。
リディ少尉に、男と見込んだというシーンのインパクトよ。
実際は自信があるとか偉そうとかではなくて、自分が巻き込まれている物事に対して全力でぶつかっていっているからこその発言なんだろうとは思うんですけど。

しかし、リディ少尉もご執心のミネバ様がバナージくんにぞっこんだからってちょっとムっとした顔してて可愛い。
しかも其の直後に優しさと爽やかさを押し出しつつも、ミネバ様のことは僕に任せなよ、君と違って僕は連邦軍の少尉なんだから任せてくれれば問題ないよ、といわんばかり。

そこに打ち込まれるバナージの「男として見込んだ」発言だから其の直後は圧倒されてて気にならなくてもあとからずいぶんとムカついたんではないだろうかw
「殺し文句だな...」という発言も、精一杯の強がりだったのではないだろうか。

ガンダムUC3巻の名言

「男と見込んだ。オードリーを頼みます」

地球にミネバ様を連れて行くリディ少尉に対して。
リディ少尉が結構いいかっこしぃなのと違って素でこれがでてくるからこそのバナージくんである。

このシーン会話の構図が
バナージ⇔オードリー
バナージ⇔リディ少尉
となっているんだけど、リディ少尉はバナージに話かけているようでいて、オードリーの同意・共感を得ようとしているのが面白い。
一方で、バナージは基本的にはオードリーにたいしてしかはなしかけていないのだ。
オードリーの意志を確認した後に、「男と見込んだ。オードリーを頼みます。」である。

なんか、バナージとオードリーが恋人同士みたいな会話の流れですね。
あるいは娘を彼氏に預ける父親かw
それならバナージが父親で、リディ少尉が彼氏役ではある。
いずれにせよ、バナージとオードリーの精神的な距離に比べてリディ少尉とオードリーはすこい距離が開いていて、なのにリディ少尉はオードリーとの信頼関係をバナージに披露しようとしているように感じて滑稽である。

「バナージ君、聞こえているならやめろ。このままではお互いに大気圏で燃え尽きることになる。」

NTDを発動したユニコーンガンダムに追い詰められたフル・フロンタルの台詞。
絶体絶命のピンチを口先でなんとか打開しようとする情けなさはシャアの再来である。しかし結局自力ではどうしょうもないので、ギルボアに助けてもらうのであった。

うーん、こういうのって味方だとイイハナシダナーってなることが多い気がするんだけど、シャアの再来であるというだけで情けないエピソードになってしまっているように感じるのは、偏見なんだろうかw