おもしろきこともなき世におもしろく

ライトノベル・SF・マンガ・ゲームの感想。それにMtG(モダン・ドラフト)についてちょろちょろと記載。

HELLSING10巻 【感想・考察】

ヘルシング10巻が出ました。完結しないと思ってました。ごめんなさい、ヒラコー先生

以下ネタばれありまくり

ヘルシングで描かれる戦いはただ強い弱いを競うのではなくて相手のすべてを否定する戦い だから相手を肯定することは負けを認めることである。

 

少佐が私は人間だと主張する一方で、インテグラは化け物であると否定する。最後の最後まで自らの人間性を肯定して死んでいく少佐。良い戦争だったと言って死んでいく少佐。一方で戦争などではなかったというインテグラ。このセリフのすべてが自らを肯定し相手を否定し倒していく言葉である。

このようにヘルシングでの戦いは自らの全存在をかけて相手の全存在を否定する戦いなのだ。一方で少佐はあくまで自らの勝利を確信して死んでいく。ベルナドットは、大尉はアーカードはそれぞれ笑いながら死に、そして消えていった。彼らはなぜ死に際してその最後に際して笑ったのだろうか、笑えたのだろうか。それは自らの信念を貫いたから、美学を貫いたからにほかならない。これこそがヘルシングの魅力である。みな自らの美学を持ち、それを貫いていく。


なお四月中に新連載が始まり、ゲーマガで連載されていた分の以下略が単行本化されるらしいです