おもしろきこともなき世におもしろく

ライトノベル・SF・マンガ・ゲームの感想。それにMtG(モダン・ドラフト)についてちょろちょろと記載。

人口知能に未来改変とSF要素満載の名作SF映画、ターミネーター2

ターミネーター2を見てました。

お約束の全裸スタート、ドラクエの王様よりもセメント対応なスカイネット

シュワちゃんこと、アーノルド・シュワルツェネッガーが余すこと無く裸体を披露するところから物語がスタート。
もはやターミネーターシリーズのお約束ですね。

しかし、シュワちゃんの肉体美はすごい。
ムキムキのムチムチ。なんというか筋肉が切れてるというのもそうだけど、はじけんばかりのムチムチの筋肉でもある。

さらに、演出の問題でもあるが、葉巻を押し付けられても焦げない筋肉、ナイフが刺さらない筋肉とステキだ。

バイクをさらりと強奪して走り去るシュワちゃん
どうやら乗っているバイクはハーレーダビッドソン FLSTF ファットボーイらしい。

ハーレーダビッドソンはごついおっさんがよく似合う。

液体金属ターミネーター、T-1000役ロバート・パトリックもやはり全裸だ。
スカイネットが送り込んでくるターミネーターはなぜか一切の装備を支給してもらえないため全裸だ。
時間旅行にかかるエネルギーの問題なんだろうか。

ジョン・コナーがなんか可愛いというか透明感がある

ターミネーター3を見た人だったら、ジョン・コナー役がなんかブサイクなおっさんになっててがっかりしたことと思う。
やはりターミネーター2時代のジョン・コナー役、エドワード・ファーロングはこの時代輝いていた。
しかし現在は俳優を続けていたもののアル中になって、スーパーの水槽からロブスターを逃がそうとして逮捕されてしまったらしい。
成功した子役は凋落することが多いようで、子供には成功というものは扱いづらいのかもしれない。
実際大人でも、望外の成功を与えられて失敗する人間は多いみたいですしね。

サラ・コナー役の鬼気迫る演技

凋落したサラ・コナー。
廃人同様のサラ・コナー。
やはりターミネーター1で未来を知ったことはサラ・コナーには大きな影響を与えていた。そして、サラ・コナーは偏執狂みたいな人間になっていたのだった。
スカイネットを滅ぼすためには総てを犠牲にして顧みない人間になって、コンピューター工場を爆破しようとして、警察の犯罪者病院?のようなところに収容されてしまった。

名作映画にあって凡作映画にはないもの

やはり細部は神にやどる。
改めて見ていると、ジョン・コナーが乗っているオフロードバイク、ATMをハックして金を引き出すシーン。
総てが新鮮で、印象的だ。何どみていてもそうなんだ。

ターミネーターシュワちゃんこそが、ジョン・コナーに取ってのほんとうの父親なのね、という話

ジョン・コナーが自分の身の上をシュワちゃんに話ているところとかすき。なんだかシュワちゃんに父親像を見出しているようで。
自分の母親を憎んでいた話をするところとか。そしていい子だよね。自分の母親が妄言持ちのキチガイだと思って、憎んでたけどほんとうのことを知ったあとは助けたいと願うところとそして、それをターミネーターに命令するジョン・コナー。

ジョン・コナーのほんとうの父親というのはジョン・コナーが45歳のときに若造なわけだから、生物学上の父親が、精神的な意味での父親と同じとはいえないんだよね。

ジョン・コナーの聡明さ。

自分の命令をターミネーターが聞くと知ってからが面白い。
チンピラにターミネーターをけしかけて痛い目を見させて喜ぶと同時にターミネーターがチンピラを殺すことは止める。
バランス感覚だよね。

細かい演出で好きなところ

警察の精神病院の変態看護師?看守?とかいたなぁそういえば。
サラ・コナーの顔をベッタリと舐めるやつ。
実に気持ち悪いぜ。

あと、泣いているジョン・コナーに目をどうしたって聞いちゃうターミネーター
其の直前に暗闇が見えるという、ターミネーターとしての人とは違う目の特性が明らかになったあとだからなおさら味があるな

ターミネーターのテーマの一つは時間改変ができるかどうかでは

スカイネットを開発した技術者を先回りして殺そうとするサラ・コナー。
そしてそれを阻止しようとするジョン・コナー。
ジョン・コナーは殺人を手段として認めていないからなんだよね。
でも、技術者の黒人の人を説得してサイバーダインを襲撃して、スカイネット開発の芽をつもうとはする。

ところで、サイバーダインをドレだけ破壊しようとも、すでにT1000とシュワちゃんが未来からやってきている以上、未来の世界にスカイネットがあるから無駄無駄無駄なのではないだろうか。

そして、未来の世界にジョン・コナーがいる以上、スカイネット側も過去の世界にT1000を送り込んでも無駄なんじゃないだろうか。

ターミネーターの世界観で最大の謎はタイムマシンによる時間改変が可能なのかどうか

ターミネーター2で色々やるけど結局スカイネットが誕生することをみると、歴史改変は不可能というのが解釈なんじゃないのかな?

単純にシュワちゃんターミネーターの部品を残したジョン・コナー側の手抜かりとすると結構しょっぱくてひどいじゃん。
あれだけの死闘を繰り広げて、サイバーダインを襲撃しておいて結局ミスが原因でスカイネットが誕生しちゃうのか、というのがターミネーター3をみている人間からするとある。

最後に、証拠隠滅のために、シュワちゃんターミネーターは、溶鉱炉に沈んでいって自分の存在を抹消することまでもやっているのに。。。

+運命はない

ただ、もうひとつのテーマに運命はないというものがある。
運命がないということならば、未来はまだ決定していないということで、このジョン・コナーたちの戦い次第では、スカイネットは生まれないのかもしれないし、生まれても人類が全滅するとは限らないといことが示されているのではないか。

正直ターミネーターも3以降はシリーズを続けることで駄作化してしまったと見ることもできるので、2の段階をベースにして、考えたい。

となるとやはり、最後に自らの意志で消えていったターミネーターシュワちゃんの意志を考えると未来は変えることができる、ということになるんだろう。

人であることを学んだからこそ死ぬことができたターミネーター

ターミネーター、つまりシュワちゃんがジョン・コナーにとっての父親であることは上で述べた。作中でサラ・コナーがそれを認めるシーンもある。

でもこのターミネーター、ジョン・コナーから生命の価値を学んでもいるのだよね。人であることを学んでいるといっても良い。
最初は、ジョン・コナーの命令に従うことがミッションの一つだ、といって非常に、ステレオタイプの機械っぽくて融通が聞かない。
ジョン・コナーが命令すれば簡単に人だって殺そうとする。ターミネーターだもの。

でも最後は、ジョン・コナーの命令を振りきって、現代・あるいはターミネーターからすると過去に未来の技術を残さないために死んでいくのだ。

人であることを学んで生命の価値を学んだがゆえに、スカイネットの暴走を許せなくなりそのために、自らの命を捧げることになる。
美しいと見ることもできるけど、ちょっと自分は皮肉っぽいと思ってしまったのだった。